「パリ旅行記 その2」は誰もが知っているエッフェル塔です。エッフェル塔…実は特別見たかったわけでもなく、パリにいけば嫌でも目に入るだろうし、パリのシンボルとしてとりあえず観ておこう…くらいの気持ちでいたのですが、正直ナメていました(苦笑)。果たしてエッフェル塔は素晴らしい建築だったのであります。
エッフェル塔
エッフェル塔は1889年に第4回パリ万博の時に建てられた建造物で、設計コンペで選ばれたギュスターヴ・エッフェルとステファン・ソーヴェストル、モーリス・ケクランによる設計。2年2ヶ月という当時としては驚異的な速さの工期で建てられ、万博も終了して来訪者数も減った1909年には取り壊される事になったそうですが、軍事用の無線電波をエッフェル塔で送受信することになり、そのため国防上重要な建築物ということで、現在に至るまで残っているそうです。
真下から見上げたエッフェル塔。
フランスって、実は軍事大国で、至る所に大砲のモニュメントがあるし、あの放射状に広がる都市計画も防衛上有利だからなのだそうです。
さて、そんなエッフェル塔に完全にお上りさん気分で登ってみました。
登るまで気づかなかったのですが、エッフェル塔の第一展望台(最下部の展望台)の真ん中って、ドーナツ状に大きな穴が開いているのです、つまり吹き抜け状。東京タワーなどは真ん中がエレベーターシャフトになっていて、そこを中心に床が張られているのですが、エッフェル塔は四方の脚の部分に斜めに上昇するエレベーターが内臓されているので、展望台の真ん中が抜けているプランが可能なのですね。
この斜行エレベーターがまた格好良いので、機会があれば是非乗ってみて下さい。
第一展望台の吹き抜け。
第一展望台の吹き抜けからの見下ろし。
柱脚の内部からの見上げ。外から見るエッフェル塔とは全く違う表情。
東京タワーも美しいと思うのですが、やはり美しさにおいてはエッフェル塔の方が1枚も2枚も上のように思いました。その原因の一つは色にあると思います。エッフェルブラウンと呼ばれている黄土色のこの色がなんとも絶妙な色具合で、古い石造りの建築物が多いパリの街並みと見事に調和しています。
エッフェルブラウンと呼ばれる絶妙の色合い。
そして、このエッフェルブランが威力を発揮するのが夜。1500ケルビンくらいと思われるオレンジ色の照明に照らされるエッフェル塔は見事に金色に輝き、パリの街に燦然とそびえ立つモニュメントとしての威力をより増幅させるのです。
夕暮れが近付きライトアップされ金色に輝きだす直前のエッフェル塔。
そして、なんといっても美しいプロポーション。東京タワーも美しいプロポーションだと思いますが、今や高層ビルに埋もれてしまってその美しい全景も見る事は難しくなっています。それに比べエッフェル塔はパリの都市計画にも助けられ、至る所からその美しいプロポーションを目にする事が出来るのです。
セーヌ川越しに見る金色に輝くエッフェル塔。
エッフェル塔から見るパリの夕景。
・・・と、まぁ、僕の駄文ではなかなかエッフェル塔の素晴らしさを伝える事は出来ないのですが、パリはエッフェル塔に始まりエッフェル塔に終わるというくらい、エッフェル塔にヤラレル事になったのでありました。
「パリ旅行記 その3」につづく。