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  • 執筆者の写真S.Ninomiya

「安藤忠雄展-挑戦-」



過日は忙しい(嘘)仕事の合間を縫って、一泊二日で東京まで遊びに行って来ました。目的は二つの展覧会とまだ見ていなかった最近話題の建築の視察。

で、まずはなんといっても国立新美術館で開催中の「安藤忠雄展-挑戦-」へ。


安藤忠雄さん(以下、安藤さん)への思いについては色々あるのですが、僕が建築「家」を目指したいと思った最初のきっかけを作った恩人みたいな人だし、規模の大きい展覧会という事で「これは見ておかなければ」という強く思い、大阪くんだりからのこのこ出て行ったのでありました。

目玉はなんといっても原寸大で再現された「光の教会」。

「光の教会」は大阪の茨木に実在している建築なので、「なんでわざわざ東京までレプリカ見に行かなあかんねん」と思いつつも....来て良かったです(笑)。

で....とにかく感動した。

あらためて、安藤さんの作り出す光と暗闇の世界の魅力と、その魅力が人間の根源的な感性に強い感動を与えるのだと再確認させられたのでありました。


レプリカは「住吉の長屋」をはじめ、安藤さんの建築を数多く施工されている「まこと建設」さんによるもの。本物は鉄筋コンクリート造ですが、こちらは鉄骨の心材にプレキャストコンクリートで構成されているそうです。

安藤さんの建築は「厚い」「寒い」「住みにくい」「使いにくい」という四重苦の建築なのは有名な評価。でも、そんなマイナス面を口走しる、そこに住まう(使う)人達の殆どは嬉しそうにしている。

たぶん、みんなマゾ体質。

そして、当の安藤さんも、その四重苦に代表される一時的な機能など、どうでも良いと考えているのだと思う。そんな経年変化で朽ちてしまう一時的な「機能」よりも、もっと先を見据えて、一時的な「機能」が朽ちてしまっても「建築」として残るような「建築」を目指したものづくりをしてるのだと思う。


光の十字架側から入り口方向を見る。

「光の教会」は照明もないし空調もない、トイレもなければキッチンもない、教会としての「場」と、神秘性を感じさせる為に「光」と「暗闇」しかない。安藤さんのつくりたい建築に、これほど向いた用途と(背景)を兼ねそろえた用途の建築は、沢山の仕事を抱えた安藤さんでもなかなか無いのではないだろうか。


斜めの壁と天井の取り合い。斜めの壁は天井からわずかに切り離されていて、そこから外光が薄っすらと天井を照らしている。光を感じさせるには暗闇が必要なのだ。そして、この光と暗闇の関係は永遠。

そんな事を考えながら、レプリカの「光の教会」に身を置いていたのでありました。


訪れた人々は皆、ただただ「光」を見つめる。

そして、翌日もまた訪れたのでありました。

「安藤忠雄展-挑戦-」は12月18日(月)まで。

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