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  • 執筆者の写真S.Ninomiya

パリ旅行記 その8/ポンピドゥーセンター・グランダルシュ・フォンダシオン ルイヴィトン・ケブランリ美術館


「パリ旅行記その8」は現代建築を訪れます。

パリは古い街なので新しい建築物はなかなか建てにくいとの事なのですが、それでも訪れるべき現代建築は沢山あります。

ポンピドゥー・センター


まずはポンピドゥー・センター。ポンピドゥー・センターはレンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースの設計で1977年に竣工。レンゾ・ピアノはイタリア人建築家で関西新空港の設計者でもあります。

センターという名称は国立近代美術館、産業創造センター、音響音楽研究所IRCAM、公共図書館が入っている為、その総称として名づけられているからなのかな…。


上の写真の反対側。柱などの構造や、建物の共用部分である電気・水道・空調などの配管、階段・エスカレーターを外部に露出させ、内部は柱やパイプスペースなどがなくなった分、広々とした空間となり、様々な用途にフレキシブルに対応できるというコンセプト。竣工当時は「工場みたい」という批判も多かったようですが、建築家業界では斬新なデザインが受け、ハイテク建築という一種のカテゴリーとして認識されています。


いざ入ろうと思い入り口らしきところに向かうと入れない。入り口は右手の広場からなのでした。


中に入るとこんな感じ。実に殺風景ですが、当時は格好良かったのかもしれません。


外から見えていたチューブの中のエスカレーターでズンズン上階まで登ります。


登り切ったところ。正面に見えるのはノートルダム大聖堂。


上階にある水盤のある中庭。鉄骨やガラスチューブが空中を横断し、実に未来的な風景…だったのかな。


ポンピドゥー・センターから見えるパリの街越しのサクレ・クール寺院をスケッチする少年。


ガラスチューブとガラスチューブの間。メンテナンスが悪いのか、メンテナンスし難いのかは分かりませんが、とにかく傷みが激しい。ペンキの剥がれているところも沢山ありました。ガラスも輝きがなくくすんでる…こういうツルピカテンの建築は、ちゃんとメンテナンスしないと直ぐに古ぼけてしまうのか…とちょっと悲しくなりました。

ちょとブルーな気分になりながら、次の目的地までてくてくと歩きます。


ポンピドゥー・センターの近くにある最近できたばかりのショッピングセンター。


ガラス(ポリカかな?)の大屋根のかけられた内部空間。


大屋根はヒダヒダ状に分節されていて空気が抜けるようになっています。雨水はそれぞれのヒダヒダに排水設備が設けられていて、内部には落ちてこないようになっているそうです。


西日を浴びて黄金色に輝くパリの街角。8月上旬に訪れたのですが、この写真の時刻で20:00頃、日没は21:40くらい。ライトアップされたパリの街も見たいのに、なかなか暗くならなくて大変でした。

パレ・ロワイヤル

ポンピドゥー・センターから歩く事15分。次の目的地パレ・ロワイヤルに到着です。パレ・ロワイヤルはルイ14世がルーヴル宮殿から移り住んだ王宮で、現在では現在では回廊に囲まれた庭園と現代アートを鑑賞できる場所です。


明るいですが、既に20:00過ぎ。閉館しているので中庭を散策。広い庭を使った現代アートが展示されています。

時間も時間なのでこの日の視察はこれで終了。この後ホテルに戻って疲れを癒します。まだまだ明るいんですけどね…。

グランダルシュ

つぎは新凱旋門とも呼ばれるグランダルシュです。グランダルシュの竣工は1989年。1989年と言えば大学を卒業して社会人1年生になった年。雑誌に掲載されたグランダルシュをみて「格好良い!!」と思ったのを思い出しました。設計は建築家ヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセン。


なぜか全景を撮り忘れていて、これがかろうじて建築全体をとらえた写真。上下左右に内部空間があって、真ん中空洞にになっています。この形状が新凱旋門と言われる所以。梅田のスカイビルはこのグランダルシュに影響を受けています(と思う)。


空洞部分の見上げ。赤い部分はメンテナンス用の足場。訪れた時、グランダルシュは丁度あちこち補修工事していて、そのせいで写真もあんまり撮りようがなかったので全景も撮り忘れてしまったのだと思います。


見どころの大階段もやり直し中。竣工後27年も経っているので当たり前といえば当たり前。ポンピドゥー・センターに比べれば綺麗に保たれているのかもしれません。

フォンダシオン ルイ・ヴィトン

次はフォンダシオン ルイ・ヴィトン。2014年に竣工したばかりのルイ・ヴィトン財団により美術館。


設計はグッゲンハイム・ビルバオなどで有名なフラン・O・ゲーリー。広い広いブローニュの森に建つ大きな大きな建築です。


ほんとはシルバーグレーのガラスで覆われているのですが、訪れた時は誰かのインスタレーションをやっていたようでカラフルな色彩が施されていました。できればオリジナルを見たかったなぁ…。

ゲーリーの建築はスペインのグッゲンハイム・ビルバオ、アメリカのディズニーコンサートホール、昔に設計した小さなショッピングセンター、ゲーリーの自邸、そして神戸のフィッシュ・ダンスとこれで実作を見るのは6作品目なのですが、正直このフォンダシオン ルイ・ヴィトンが一番残念な出来でした。

外観はゲーリーのお家芸ともいえるグチャグチャだけど美しさのあるフォルムなのですが、内部空間は特に見るものもなく、外観同様グチャグチャのプランのおかげで分かりにくい。トイレだけ借りてさっさと出てきてしまいました。


どうも屋上に展開する外部空間が売りの建築のようでした。


建築の印象は残念でしたが、このグチャグチャの建築を設計して建築したエネルギーには感服。

ケ・ブランリ美術館

次はケ・ブランリ美術館。2006年の竣工。原始美術を展示する美術館で、設計はフランス人建築家ジャン・ヌーベル。日本では汐留の電通本社ビルを設計しています。場所はエッフェル塔の横。


セーヌ川側の外観。ポコポコと飛び出した四角い箱の中は展示室。


上の写真の反対側。左手に見える湾曲した白い壁のさらに左手が入り口。湾曲した白い壁の内部は円形のスロープになっていて、まず入館するとこのスロープを登って上階へと進むプランニング。


スロープを登り切ったあたり。照明はグッと落とされ落ち着いた雰囲気。


展示フロア。


外も中もこんな風にグニャグニャしていて全体像がつかみ難い建築。色彩は鮮やかなのですが彩度が抑えられていて、原始美術を展示する建築としては相応しいのではないかと思いました。

ところで、このケ・ブランり美術館を訪れたの目的はこれだけではありませんでした。

実はこのケ・ブランリ美術館の屋上には、建築と同じくジャン・ヌーベルの設計したレストラン「レ・ゾンブル(Le Ombres)」があり、そこでのディナーがもう一つの目的。なぜここでのディナーが目的かというと……


ジャーン! はい、エッフェル塔を眺めながら食事のできる絶好のポジションにあるレストランなのでありました。


予約時間は19:30。10分ほど前に到着したのですが、まだ準備が整っていないようでこんなウェイテイングスペースで「待ち」です。


内部はこんな感じ。鉄骨の変形トラスにガラス屋根。内部からもエッフェル塔が見えるようにとの事だと思います。この日は内部は使わず、外部スペースだけを使っての営業でした。

そして食事を終えるころ、エッフェル塔がライトアップされて……


美しい…。

「パリ旅行記 その9」に続く。

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