上海では最新の現代建築も幾つか視察してきました。まずは日本を代表する建築家/安藤忠雄さん設計の「上海保利大劇場(上海オペラハウス)」。

円筒形によってくり抜かれた内部空間(実際には外部のオープンスペース)から池側を見る。こういう心象に残る空間づくりは、さすが安藤さんという印象。
長方形のボックスに幾つかの円筒形が貫入し、円筒形によって抜き取られた部分が空間となる構成で、安藤さんらしい単純な形態操作で複雑な空間を生み出すという手法の延長線上にある建築だと感じました。

外壁はコンクリート打ち放しにガラスを纏うという、これまた近年の安藤建築によくみられる手法。

あっちからの円筒形とこっちからの円筒形が交差する空間。

円筒形部分の仕上げはアルミの形材を木材っぽく印象付けるかのような色の塗装で仕上げていました。アルミとアルミの間の隙間を設ける事によって、円筒形の湾曲した形状をより強く認識させています。

以前小耳に挟んだ話ですが、安藤さんは徹底的なアナログ志向で事務所にはFAXも置いていないそうです。でもそれだとスタッフが困るので、事務所の近くにこっそりとマンション借り、そこにFAXを置いているらしいのです。たぶんE-Mailの不可、CADなどPCを使うことも不可と聞いた事があります。
でも、この「上海保利大劇場(上海オペラハウス)」を見る限り、絶対にコンピューター無しでは無理な設計。きっと安藤事務所にもデジタルの波が訪れているのだと思いました。