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  • 執筆者の写真S.Ninomiya

LEDの問題点 その1


僕たちの設計する建築は、できるだけ照明計画にも力を入れています。それは、普段は夜しか家にいないお父さん達にもリラックスした生活空間を楽しんでもらいたいからです。

建築における光は、太陽光を主体とした日中の自然光が基本ですが、夜間における人口の光が作り出す空間は、日中のそれとはまた違う味わいのある空間となります。

最近はLED照明も日進月歩で、その進歩も目覚ましいものがありますが、やはりまだ従来の光源にはほど遠いというのが率直な印象。しかし、ランニングコストやイニシャルコスト、そのコンパクトさ、また、従来の光源は取替え時の入手先が閉ざされてきている為、最近は僕たちが設計する案件でもオールLEDで照明計画をしています。

LEDで照明計画を行う際、もっとも気をつけなくてはならないのは、その演色性の吟味でしょう。演色性とは光が当たったモノの見え方を表す言葉で、この成熟度が低いLED照明はまだまだ沢山あります。

例えば先日訪れた飲食店、同席した知人の顔色が悪いと思っていたら、なんの事は無い演色性の低いLED照明のせいでした。勿論出てきた料理も不味そうに見えました。

この店をデザインしたデザイナーにLED照明の知識が不足していたのか、或いは施工時にはまだ演色性の高いLED照明が開発されていなかったのか、はたまた、別の理由であったのかは定かでは有りませんが、いずれにせよこの店は長続きしないだろうなと思いました。

それからLED照明を採用する際に気をつけなければならないのは色温度です。色温度とは、ある光源が発している光の色を定量的な数値で表現する尺度(単位)で、ケルビンという単位で表現します。

LED照明以前は、どのメーカーでもこのケルビンはほぼ近似値で、いろんなメーカーの照明器具を混在させても違和感はありませんでした。しかし、もともと青い色をしたLEDを変色させて暖かみのあるにしているLED照明は、この色温度がメーカーによりマチマチで、同じ2400ケルビンの照明器具を採用しても、赤かったり黄色かったり、緑がかったオレンジだったりして、気持ちの悪い光環境となってしまいます。

そこで、LED照明を使用する際は同じメーカーのものだけで計画し、複数のメーカーを混在させない事が前提になるのですが、実は同じメーカーのLED照明で同じ色温度の照明器具でも微妙に違って見えたり、全く同じ品番の照明器具でも違ったりするので、実はLED照明というのは厄介な照明器具なのです。

とはいえ、現在はLED照明を使わざるを得ない環境になっているのも事実なので、各照明メーカーにはこれらの問題点の改善を急いで欲しいと思います。

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