• S.Ninomiya

ガウディと中庭

最終更新: 2019年3月1日



数年前、念願かなってスペインのバルセロナを訪れ、アントニ・ガウディの建築を視察する機会に恵まれました。

ガウディの建築というと、曲線が多様されたアイコン的な強い形態が特徴的。アールヌーボーの延長線上かと思いきや、モデルニスモというカタルーニャ地方固有の芸術形式にカテゴライズされるらしい。でも、初期の頃の作品は直線的なデザインも多く、時代の潮流も含めスタイルが移り行くさまがみてとれて興味深かったです。

その特徴的な形態ばかりに目が行き、日本の建築との接点は無さそうなガウディですが、実はそうでもありませんでした。

それが中庭。

僕たちの設計する建築も、周辺環境によってはプライバシーや通風、採光を確保する目的で中庭を挿入する事が多く、また、建蔽率が少なく設定された地域など、そもそも敷地に対して空地をかなり確保しなければならない場合など、その空地を建物周辺に設けるのではなく、建物の中に空地(中庭)を設け、居住空間の快適性に還元しようというデザイン的観点からも中庭を採用する事が多いです。

そして、そういう中庭は京都の町屋などでも多くみられ、建物が密集している場所で良好な環境を確保する場合の先人の知恵として、古くから日本にある手法でもあります。

そんな中庭が、ガウディの建築でも多く見られた事は新鮮な驚きでした。

中庭が挿入されたガウディの作品の多くはバルセロナの街中に位置し、建物が密集した高密度なエリアであり、それは日本の都市部と変わらない環境です。そのような条件下で良好な環境を作り出す手段として、洋の東西を問わず中庭が採用されている事を興味深く感じたのでありました。


カサ・ミラ外観。


カサ・ミラの中庭。


カサ・ミラの中庭からメインゲート越しに通りを見る。


カサ・ミラの屋上から中庭を見下ろす。


カサ・ミラの屋上全景。写真では分かりにくいが、大小5つの中庭がある。


カサ・ミラのプラン。大小5つの中庭がある事が分かる。


カサ

カサ・バトリョ外観。


カサ・バトリョの中庭を見上げる。上部にガラス屋根(トップライト)が有る為厳密には中庭ではなくヴォィドであるが、このヴォィドの役割は中庭そのもの。


カサ・バトリョ屋上。右側にガラス屋根のかけられた中庭が見える。

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