私達の設計した「堺の家5」がA`Design Award(イタリア)のGood Spatial Design部門において金賞を受賞しました。
さる6月29日にイタリア/コモでその授賞式があり出席してきました。折角イタリアまで行くのに、コモの訪問だけでは勿体なないと思い、ミラノやヴェローナも視察してきました。
今回から数回に分けて、2018年6月25~7月2日に訪れたイタリア視察の様子をご紹介したいと思います。
「ミラノ・ヴェローナ・コモ 旅行記 その3」2018年6月26日
ずんずんとヴェローナの中心地に歩いて行きます。
ヴェローナの観光は、基本的に徒歩が適しているようでした。観光施設が点在している旧市街はそれほど大きくなく、端から端までゆっくり歩いても1時間ほど。観光バスもあるのですが、バスの待ち時間などを考えるとブラブラと街歩きした方が楽しいと思います。
ヴェローナは「ロミオとジュリエット」の舞台となった事で有名な町です。町のあちこちでこんなポスターが掲げられていました。
ずんずんと北側に進んで行くと、エルベ広場に辿り着きました。エルベ広場には沢山の露店が出店していて大変な賑わい。
売っているものは、日本とあんまり変わらないかな。
エルベ広場のシンボルとなっているのがこの「ランベルティの塔」。登る事もできるそうですが、体力温存の為にパス。
大道芸人さんもいます。仕掛けは秘密です。
「これじゃない」感満載の和食料理店の看板。是非、できれば本物の和食が普及して欲しいもんです。
「ジュリエットの家」
エルベ広場を南東に進むと「ジュリエットの家」があります。
アーチ型の門を進んで、「ジュリエットの家」の中庭に進みます。左右の壁にある模様は全て落書き。
中庭に出ると、有名なバルコニーがあります。但し、「ロミオとジュリエット」自体が幾つかの実話をベースにしてはいますが、基本的には空想の作り話。「ジュリエットの家」もジュリエットのモデルとなっていた人が住んでいたとされる建物だし、このバルコニーも観光客が増えてきたので増築されたものです。神戸北野の異人館と相通ずるフェイク感がありました。
中庭に設置されている「ジュリエットの像」。像の胸に触ると幸せになれるとの事で、触られ過ぎてビッカビカに輝いていました。
「ロミオの家」
「ジュリエットの家」の近くには勿論「ロミオの家」もあるのですが、こちらは観光地化はされていません。事前の調べでは隣接するリストランテがなかなか良さそうだったので、ここでランチにする予定だったのですが、残念ながらこの日は定休日。写真中央のアーチがあるのが「ロミオの家」、その右隣が評判の良かったリストランテ。
そんなにお腹も空いてなかったので、ランチは諦めて次の目的地「ローマ劇場」に向かいます。
道すがら「スカラ家の廟」を発見。13世紀から14世紀にかけてヴェローナの領主だったスカラ一族のお墓です。
どんどん進みます。テラス席でランチ中の皆さん。ニンニクの香ばしい香りがプンプン漂っています。ちょっとお腹空いてきたかも。
「ローマ劇場」
微妙な空腹感を感じながらも更に北上すると、アディジェ川に突き当たりました。アディジェ川はヴェローナを蛇行している大きな川です。正面にみえる丘の中腹に目指す「ローマ劇場」があります。
アディジェ川にかかるピエトラ橋を渡ります。橋のたもとには関所のような門が設えられています。中世の時代には、ここでセキュリティーのチェックなどをして、町に入ってくるよそ者をコントロールしていたのでしょうね。現在は物乞いの方のチェックポイントとなっていました。
ピエトラ橋から見る町の風景。
橋を渡って「ローマ劇場」のエントランスを探すもなかなか見つからない。
橋を渡り辿り着いた地点からグルっと川沿いに南下した所にエントランスらしき場所を発見。
この左側の入り口がエントランスでした。先に購入していたヴェローナカードを提示して入場。
「ローマ劇場」は紀元前1世紀に建てられた半円形の劇場で、中世には劇場を形作っていた石材の殆どは持ち出され、劇場のあった場所には他の建物が建てられていましたが、19世紀に発掘され現在のような復元されたという経緯があります。現在もコンサートなどで使われているようです。
劇場の背面の丘は階段で登れるようです。興味本位で登ってみる事にしました。
ローマのコロッセオもそうでしたが、レンガで型枠を作ってその中にコンクリートを流し込み、表面に大理石を貼って仕上げとしていたのでしょうか。ところどころレンガ積みの跡が見られます。
ずんずん進みます。
そして、絶景に辿り着いたのでありました。丘の上は修道院なのですが、博物館にもなっているようでした。これはその博物館のテラスからの眺め。
ここはヴェローナの他の観光地から少し離れている為か、観光客の姿もまばら。でも、こんな絶景が観られます。もしヴェローナを訪れる機会があれば、是非ローマ劇場の丘を登ってみて下さい。
博物館の展示物はかなり充実していたのですが、残念ながらサクっと一周して次の目的にに向かいます。
丘を降りて旧市街に戻る前に、ピエトラ橋のたもとにあったバルで一休み。
いよいよヴェローナ訪問の本来の目的、建築家カルロ・スカルパの設計したヴェローナ市民銀行とカステロベッキオ美術館に向かいます。
今日はここまで。