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執筆者の写真S.Ninomiya

土地とお肉の関係


これから住宅などを建てようと思われている方に対して「建築無料相談」をお受けしているのですが、最近、圧倒的に多いご相談が「土地探し」からのご相談です。

例えば「気に入った土地があるのだけれど、いったいその土地には自分たちの望むような建物が建てれるのか?」といった類のご相談です。

元々お持ちの土地での建て替えなどであれば不要な心配なのですが、これから土地から購入してというケースであれば当然の心配だと思います。

土地探しの判断基準は様々なのですが、その多くは立地と価格だと思います。環境や通勤やお子さんの学校などを視野に入れて想定するエリアに、出来る限り安値で土地を購入したい……というのが土地探しのベースになると思います。

そして、そのような相談を受けていてつくづく思うのは「土地はお肉と似ている」という事。


柔らかくて美味しいお肉は高く、その逆は安い。土地も一緒で、環境が良くその他立地の良い土地は高く、その逆は安い。当たり前の事なのですが、全く同じ相関関係にあります。

そして、硬くて美味しくないけど安いお肉でも、調理の工夫次第では美味しく頂く事もできます。土地も一緒。立地そのものはどうしようもありませんが、建築のプランニング次第では素晴らしい住環境とする事は出来ます。そんなところも土地とお肉は似ています。


但し、全く違う点もあります。

それは「土地の価格は売り手の固定概念のみで決定されている」というところ。

もっとも顕著なのは方位による価格設定の差。つまり「接道が北側にあるよりも南側にある方が高く売れるだろう」という不動産屋さん視点による固定概念からくる価格設定の方法に起因するもの。また、旗状地なども比較的割安で価格設定されていたりします。

しかし、前述のようにこれらは調理次第........建築のプランニング次第で激変する可能性を多分に含んでいたりもします。

僕たち建築家の仕事は、そんな不動産屋さん的視点では「高く売れないだろうな」と思われるような土地でも、上手く調理して美味しく頂けるような料理に仕上げる事だと思ったりしています。

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