現在、有難い事に複数の現場が同時進行しています。その話になると、皆口を揃えて「大変でしょう?」と言うのですが、実は全然大変じゃない。
むしろ楽しい。
「寺田町の家」は完了検査が終わり、現在外構工事の真っ最中。
実際に工事している人達は大変なのだと思うけど、建築家の立場としては、自分が考えたものがカタチになっていく様を見ているのは、楽しくて仕方がない。
もちろん、複数の現場が重なると毎週毎週打合せする事も増えるし、考えなきゃいけない事も増えるのだけど、そんな事は大した苦労ではないし、それをやるのが現場監理という仕事なので当たり前の事。
「西宮の家」も現在外構工事中。
そして、もう決める事は全部決めて、後は現場に任せて進捗状況の報告だけ受ければ良い状態になっても、やっぱり行く。
行くと、一度は「こうしよう」と結論付けた事でも、時間をおいて考え直すと「やっぱりああしよう」と思う事も多々あるし、微調整したい事もちょこちょこ出てくる。
「武庫之荘の家」は建て方が終わり、現在は大工工事の真っ最中。
そして、そうする事で建築がグングン良くなっていく。だから、出来れば一日中現場に張り付いていたいくらい。
ところで、ある工務店さんの話しによると、僕のようにしょっ中現場に来る建築家もいれば、殆ど現場に来ない建築家もいるらしい。
「上牧の家」は基礎工事中。
中には完全に工務店さんに任せっきりで、現場に一回しか来なかった建築家もいたそうで、「あれではお施主さんが可哀想」と呟いてた。
…現場に一回しか行かないなんて全く信じられないのですが、きっとその建築家は「ものづくり」としてではなく、ただのビジネスとして関わっているんでしょうね。
お施主さんは、ちゃんと建築家が現場監理してるものだと思ってるだろうし、設計と施工が分離しているからこそ出来る現場監理のスタンスというものがあるわけで、そこへの期待もあり建築家に頼んでいると思うのだけど、それを裏切るような事をしているのであれば、確かにお施主さんが可哀想。
「堺の家5」は殆どの工事を終え、今週末のオープンハウス後のお引き渡しを待つばかり。
一口に建築家といってもその定義付けは難しいのだけど、少なくとも建築が好きである事は絶対条件ではないでしょうか。もっと言うと、自分の設計した建築が好きじゃない、もしくは、好きになれないようであれば、その人は建築家とは言えないと思います。
実は、最近特にこういう「なんちゃって建築家」が急増してるのだけど、残念な事に一般の人からはその違いがわかり難いんですよね。
なんとも残念な事です。