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  • 執筆者の写真S.Ninomiya

「ローコスト「という事 その1


先日、知人の建築家が設計した住宅が完成し、そのオ-プンハウスに招かれました。建築家の行うオ-プンハウスとは、不動産屋さんのそれとは少し趣旨が違って、直接的な販売目的というわけではなく、同業の建築家や建築を勉強中の学生を対象に、自分の設計した住宅に対しての意見を聞き今後の課題としたり、或いは将来施主になってくれるであろう方々に、判断材料の参考として見学して頂いたり・・・という趣旨のものです。

さてこの住宅、木造2階建て、面積は良く分からないけれど延べ床で25坪程度でしょうか。50代の夫婦二人が住まい手。で、何が凄いかというと、具体的な予算の記述は控えさせて頂きますが、それはもう徹底した「ロ-コスト」なのです。

まず目に付くのが屋根や建具を除いた部分の仕上げ材全てを杉に限定していて、仕上げの種類を少なくする事によりコストダウン。次に内・外問わずに壁の仕上げが片面しかない(普通は柱の両面に仕上げ材を貼ります)。

で、極めつけは断熱材が無い!!設計された建築家の言葉によると「木材の持つ本来の断熱性能に期待する。夏場はなんとかしのげました」との事。で、勿論エアコンなどはありません・・・思わずウゥ~ンと唸ってしまいました。

だって、ナンボなんでも寒いですよね?????でも、これらの事は全て施主さんも了解済みだろうし、「原因があって結果がある」はずです。しかも、ここに住むのは僕ではないし、お金を出すのも僕ではない、僕が心配する必要などな~んも無いのです。これぞ、「ロ-コスト道」の王道だと思いました。 ウチの事務所にも「ロ-コストでやって下さい」という要望で始まるお仕事は多いのですが、ここまで気合の入った施主さんはいないのであります。しかも、どうも「ロ-コスト」の意味を間違えて解釈されている方も多いようです。今回から数回に分けて、「ロ-コスト」について話してみたいと思います。


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