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執筆者の写真S.Ninomiya

続・迷走、新国立競技場。



前回は新国立競技場のコスト決定の経緯について、ザハ事務所からのコメントを交えて紹介しましたが、今回は白紙撤回されたにも拘わらず、59億もの支払が発生している問題。

テレビのワイドショーなどを観ていると「まだ何も出来ていないのに59憶も払うの?なんでなんで~????」と、ここぞとばかりにゲストコメンテーターが大きく声を上げていた。

一般の方ならこの反応は理解できる。でも、このコメンテーターは自身がタレントや作家というソフト産業で生計を立てているにも関わらず、設計というソフト産業の事を全く理解していないのだった。唖然とした。いやむしろ憤りさえ覚えた。

この件については、ザハ事務所から新しいステートメントが出たようなので、そちらを読んでもらうと分かるかもしれない。http://1kando.com/24975

これを読むと、ここまで如何にザハ事務所とその協力者達が白紙に戻されるまで膨大な量の仕事をしてきたか分かります。まだ何も出来ていないけど、それに向けて、報酬を得るに値するだけの仕事をして来ているわけです。

今回、発注者側の事情で白紙撤回となっているわけです。理由は設計内容からくるコスト増。しかし、ザハ事務所側だけにその原因があるとは思えません。設計は設計者だけの一存では進められません、常に発注者側とのコンセンサスを取りながら進められるものだからです。

だとすると、今回のように発注者側からの一方的な白紙撤回の場合、それまでに費やした時間や経費、人件費などは正当に支払われるべきです。

59億円という金額が妥当なのか否かは分かりませんが、少なくとも「まだ何の出来ていないのに報酬を払うのか?」という疑問には驚きと憤りを感じるわけです。

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