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執筆者の写真S.Ninomiya

デザインの視点



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既に「イタリア旅行記1・2・3・4・5」でも書きましたが、初めて訪れたイタリアはとても収穫の多い旅となりました。

特に、まがりなりにもデザインに関わる仕事をしている僕には、デザインや芸術の先進国として世界的に認識されているイタリアへは特別な思いがあり、建築も含めてそれらのホンモノを目の当たりにできた事は貴重な経験となりました。

そして、最も大きな収穫は「日本のデザインも非常に高いレベルにある」という事が実感できた事。やはり、日本のデザインはデザイン大国イタリアのそれに決して劣ってはいませんでした。これは以前から感じていた事ではあるのですが、今回様々なものを観て確信を持つ事ができました。それがこの旅で得た最大の収穫。

そもそも、日本でも古来から世界からリスペクトされるようなデザインは多々あります。寺社仏閣や茶室に代表される建築、写楽や歌川広重に代表される浮世絵、限られた空間に無限の広がりを表現する庭園や坪庭など、世界に誇れるデザインに溢れているし、近代や現代においてもそれらの文化は途切れることなく脈々と受け継がれ発展しています。

西洋のデザインと日本のデザインは明らかに違っていますが、それは「どちらかが優れている」という勝ち負けの対象ではなく、視点の違いを示しているに過ぎないと思うのです。

例えば、お茶やコーヒーを注ぐ為の茶器一つとっても、西洋のそれと日本のそれとは全然違います。注がれるものは「液体」なのに。だけど表現されたものは違う形として表れている。それは視点の違いやバックボーンにある歴史や文化、持っている技術の違いが違うのであって、どちらかの方が優れているわけでは無い。

実際、カーデザインの世界では多くの日本人デザイナーが有名な欧州車でデザインに携わり、の高さを証明しています。

そういう事をあらためて確認できた今回の旅は、とても有意義な旅でした。


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ヴェネツィア、サンマルコ広場の回廊の一角にひっそりと佇むオベリッティ博物館。以前はオベリッティのショップでだったらしいが、現在は博物館として使用されている。デザインはカルロ・スカルパ(1906年~1978年)。スカルパはヴェネツィア出身の建築家で、安藤忠雄さんなどをはじめ世界中の建築家からリスペクトしている建築家です。

そんなスカルパのデザインしたオベリッティの門扉は、明らかに日本の障子から影響を受けたデザインでした。


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ヴェネツィアで発見した「無印良品」。デザイン大国イタリアでも全くひけを取っていませんでした。

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