イタリア紀行その4はサンピエトロ大聖堂。
ご存知のようにサンピエトロ大聖堂はヴァチカン市国の中にあります。その3でご紹介したヴァチカン美術館も同様。これまたご存知のように、ヴァチカン市国はイタリアという国の中のローマという都市の中にある小さな独立国です。つまり、イタリアの中にあるローマの中にあるけれど、イタリアでもローマでも無い。
そして、くどいようですが、これまたご存知のようにこのヴァチカン市国のトップがカトリックでもある「ローマ法王(正しくはローマ教皇)」。
しかし、なぜイタリアでもローマでも無い国、ヴァチカン市国のトップが「ヴァチカン法王」ではなく「ローマ法王」なの
さて、今回の主役サンピエトロ大聖堂です。ここに来る前にヴァチカン美術館に立ち寄り、さんざん西洋の芸術に圧倒されてもうお腹一杯のはずだったのですが、まだまだ入りました。
豪華絢爛とはこの事を言うのだというくらい、豪華絢爛。しかも気品があって全くいやらしくない。宗教施設なのでいやらしく無いのは当然だと思うのですが、これだけの贅を尽くせば多少なりともやっかみを生みそうな「いやらしさ」が伴いそうなもんですが、微塵も無い。美しいの一言。
建築の構成は、その1やその2でご紹介したコロッセオやパンテオン同様、アーチやドーム、列柱というローマ建築必殺のアイコンの連続技なのですが、それらに比べると1500年くらい新しい建築。1500年分の間に人間が蓄えた技術や思想や美意識が付加されて、更に高密度の濃厚な空間となっていました。
設計者は何回か変わったようですが、最後はミケランジェロが主任建築家として携わったとの事。
サンピエトロ大聖堂の前にあるサンピエトロ広場の列柱回廊。こちらはサンピエトロ大聖堂が竣工した140年後の1626年の竣工。列柱と列柱の間から漏れる光と影のリズミカルなコントラストが美しい。以前に見に行ったルイス・カーン設計の「ソーク研究所」も同様のコントラストが美しかったが、カーンもきっとこれをヒントにしたに違いない。
使われている列柱は無垢の大理石なのだそうだ、はたして坪単価は幾らなのだろうか。。。。
お馴染みのスイス人衛兵。このカラフルなユニフォームもミケランジェロのデザイン。因みに「アルプスの少女ハイジ」に出てくるおんじは、若い頃この衛兵をやっていたという設定。