過日は「夙川の家」の地鎮祭でした。「夙川の家」は兵庫県西宮市、桜の名所としても名高い夙川公園にほど近いロケーションに建設予定の若い家族の為の住宅で、延床面積23坪という小さな住宅。今まで僕たちが設計した住宅の中で最も小さい案件になります。 実はこの「夙川の家」、最初にお話をお伺いした時に、一度はお断りした案件です。 理由は、敷地に高低差があり、且つ予算が少ない。敷地の高低差を解決する為に一般的に行われる擁壁を建てると、これだけでかなりの割合のコストが必要で、とてもご希望の予算内では収める事が出来ないと判断したからでした。 実際、僕たちにご相談されるまえに相談されていたハウスメーカーのプランを拝見すると、擁壁だけに300万円ほどかかる案でかなりの予算オーバー。工事費事態は決して高くないのですが、やはり擁壁を建てる事が大きなネックとなっていました。 だいたい、要望と予算にギャップがある事のはいつもの事で、このギャップをなんとか解決しながら計画の実現に至るのですが、今回ばかりはあまりにもギャップが大きすぎるのでお断りしたわけです。しかし、お話をするうちに一所懸命家づくりに取組んでいる若いご夫婦を目の当たりにして「なんとかできないかなぁ...」という気持ちがムックリと...。 で、紆余教説を経て、やっとここまできたわけです。計画は擁壁を建てない案とし、建築事態のヴォリュームも抑え、工務店さんや建材屋さんやキッチン屋さんにもコスト圧縮の為にかなり無理メなご協力を頂き、お施主さんにもご無理申し上げました。まさに「総力戦の建築」。建てる前から、沢山の方々のご協力を頂き、やっとここまできたわけです。 竣工予定は来春、ちょうど桜の咲く季節。現場はこれから始まりますが、いまから竣工が楽しみです。
top of page
bottom of page