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執筆者の写真S.Ninomiya

特撮とアナログと建築現場


ハリウッド製「ゴジラ」の公開に合わせて、様々なテレビ番組でタイアップの特集を見かけますね。先日も「世界不思議発見」でゴジラとゴジラ繋がりで特撮の神様こと円谷英二さんの事を特集していました。 円谷英二さんについてはご存知の方も多いと思いますが、ゴジラをはじめウルトラマンシリーズの生みの親でもあり、日本の特撮技術において多大なる功績と影響を与え続けている偉人です。 番組の中では、火山のモクモクとした噴煙を水中に流し込んだ牛乳で再現したり、戦闘機の飛行する様を、戦闘機側ではなく背景を動かす事で臨場感を出すなど、様々にアナログな工夫をして映像化していた事などが紹介されていました。現在はなんでもCGで解決出来てしまいますが、昔は些細な事でも様々な工夫をする必要があったのですね。 勿論、CGも創成期においては試行錯誤があり、現実とCGとの見分けがつかなくなったのは最近の事ではありますが、それでも昔の「特撮」に比べると、その表現の範囲は格段に広がり、且つ容易になっています。子供向けの所謂「戦隊モノ」でもCG全盛で、僕達が子供の頃のソレとはリアリティ-が格段に上がっていて、その普及度が分かります。 話は変わりますが、僕がモノづくりに興味を持ったのは「スターウォーズ」の影響です。この映画も「ゴジラ」同様、当時としては特撮にエポックメイキングな要素のある映画で、特撮以外にも魅力的な部分は多々あるのですが、やはり一番の興味は「いったいどうやって撮影」しているのだろう」という部分。当時出版された「スターウォーズ」関連の書籍、特に特撮に関しての書籍を読み漁り、その特撮の舞台裏に興味津々になっていました。勿論、この映画の時代もCGなどはなく、様々にアナログな工夫をしながらリアルに魅せているのですが、そこにはアイデアが欠かせない事も同時に示していました。 ところで、映画の世界ではアナログな工夫をする特撮はほぼ姿を消してしましましたが、建築の世界では相変わらずアナログな工夫全盛です。建築現場は昔と相変わらずアナログな工夫と、モノつくりの臨場感に満ち溢れています。でも、いつかは「特撮」のようにデジタルが台頭するのかもしれません。実際、3Dプリンターが目覚ましく進歩しているようなので、その未来は案外近いのかもしれませんね。 現場がデジタル化すると、様々な事が合理化され、工期も短縮されたり危険性も軽減されるなど、多くのメリットが生み出されるのだと思いますが、「特撮」同様アナログな工夫が希薄化するのは残念な気もすると思うのでした。

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