外部ブレーンとして開発にご協力させて頂いたパナソニックの住宅用雨とい「Archi-spec TOI」が発売されました。
「雨とい」というのは、屋根で受けた雨水を地面レベルに流す為の建築設備で、ほとんどの建物にはこの「雨とい」が付いています。そして、たぶん、一般の方は「雨とい」なんてほとんど意識された事は無いと思います。 でもこの「雨とい」、デザインという視点から考えると非常に重要な部分で、「雨とい」の処理次第で建築の出来栄えが全く違う。逆にいうと「雨とい」一つで台無しになっている建築も多々あります。 つまり、設計者にとっていつも悩みの種。出来るだけ死角となる部分に配置したり、ダミーを加えて二つ並べる事で見栄えを良くしたり、思い切って取り付けないなど、様々な工夫をして解決しようと試みています。個人的には、「雨とい」を芸術的レベルで上手に解決しているのは金閣寺くらいではないかと思います。余談ですが、屋根が美しいと思える日本の寺社仏閣は、この「雨とい」が取り付けられていないケースが多いですね。 パナソニックの開発チームは、この厄介者の「雨とい」をなんとかしたい...という思いで「Archi-spec TOI」の開発に取り組まれたわけです。 「Archi-spec TOI」は非常にスッキリとしたデザインとなっており、ウチの案件である「桃山台の家」の中庭側でも採用してみましたが、建築に馴染み過ぎていて、説明しないと「雨とい」と気づかないほど。まさにまさにパナソニック開発チームの思惑通り。 街並みの風景を構成する屋根、そしてそれに取りつく「雨とい」。この「雨とい」が美しくなれば、街並みはもっと美しくなるはず。是非皆さんも「雨とい:を気にしながら街をあるいてみて下さい。