出雲大社詣でに引き続き、同じく今年式年遷宮を行った伊勢神宮に詣でてまいりました。
出雲大社は60年ぶりの式年遷宮でしたが、こちらは20年ぶりの式年遷宮。遷宮のスパンこそ短いものの、丸々建てかえてしまうという点では伊勢神宮の方がダイナミック。
しかも、内宮・外宮の両方を建てかえてしまうので、合計二つもの正殿が建てかえられるわけで、大変失礼ながら、一つの正殿をリフォームする出雲大社とはスケールがけた違い。
さて、実際に訪れて驚いたのは、まだ古い正殿が取り壊されずに残っているという事。つまり、左右に新しい正殿と古い正殿が並んでいるわけで、その両方を拝見できるという非常に貴重な状態だったのであります。
新しい正殿は、まるで出来立ての結構式場のようにピッカピカの白木造りで葺かれた屋根もツヤッツヤ。しかし、古い正殿は外壁の痛みも激しく、屋根は苔や草が生えて完全に様変わりしています。たった20年の月日でここまで様変わりするとは、ちょっと驚いてしまいました。
「式年遷宮~出雲大社の巻」でも書きましたが、式年遷宮とは、建築物を定期的にメンテナンスする決め事の事だと書きました。それが1000年以上も前から行われ、1000年以上も前の状態が定期的に再現され再生されているわけです。
そうすると、ただ単にメンテナンスという目的以外に、技術や文化、価値観の継承という側面も大いにあるのだと思いました。
さて、前述の通り今であれば新旧の正殿を横並びで拝見する事が出来ます(特に外宮が見やすい位置関係)。建築に興味がある方は古い正殿が取り壊される前に詣でる事をお勧めします。