top of page

旅と異文化

執筆者の写真: S.NinomiyaS.Ninomiya

建築家業界では「海外の建築を見ないと話にならない」的な風潮があって、同業の方々は実に色々なところへ出かけておられるようです。僕も今まで、それほど多くはありませんが幾つかの国々を旅する機会に恵まれました。 どの国に行ってもそれなりに吸収できるものがあるので有意義なものになるのですが、特に思い出に残っているのは、学生旅行で行った初めての海外、「韓国」です。 今年は「韓流ブ-ム」とかで韓国人気が炸裂しているようですが、僕が初めて行った16年前は全然状況が違って、ソウルオリンピック直後とはいえ韓国は旅行先としてあまり人気が無かったように記憶しています。 学生時代の友人10人程度とプサンから入ってソウル、そしてまたプサンへ戻るというスケジュ-ルの旅行だったのですが、それはそれは愉し旅行でした。当時の韓国は経済的にもまだまだ日本とは格差が大きく、同世代の韓国の学生が日本人だと分かると積極的に話しかけてきては、「日本語の勉強をしているから、勉強がてら話相手になって欲しい。将来は日本に行って仕事をするのが夢だ」とか言ってましたね。16年後の今は、僕らがハングルを勉強しなきゃいけない状況になりつつあるようです・・・。 さて、韓国が特に思い出深く思えるのは「初めての海外」「友人との旅行」以外の理由があります。それは「文化の違い」。海外旅行の醍醐味は、よその国の文化と日本の文化の違いを肌で感じる事ができるという事ではないでしょうか。同じ構造を持った人間なのに、気候や風土、発展してきた過程が違うだけで全然違う文化を持っています。 欧州や欧米のように、人間の姿形も明らかに異なる文化圏では、その文化の違いも明白なのですが、TVや映画の世界を見ているようでどうもピンときません。でも、韓国のように気候や風土、人間の姿形も酷似した国だと、まるで男だと思ってた人が、実は女だった・・・というのに近いカンジで、意外性をリアルに感じる事ができるように思うのです。「凄く良く似ているのに明らかに違う」というカンジが、実に「異文化」を肌で感じさせたわけですね。 今年は絵に描いたような「貧乏暇なし」で海外に足を伸ばす機会はありませんでしたが、来年はどこかに出かけて行きたいもんです。

閲覧数:1回

最新記事

すべて表示
bottom of page