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執筆者の写真S.Ninomiya

「グッドデザイン賞」表彰式


ウチで設計した「垂水の家」がグッドデザイン賞を受賞しました。そして先日その表彰式が行われました。今回はその時の話。 表彰式と同時に「グッドデザイン大賞」を選出するイベントが行われました。これはその年のグッドデザイン受賞作品全てを対照とし、「グッドデザインの中のグッドデザイン」を選ぶというものです。審査員が予め5点ほど候補を絞り込んでいて、それぞれが来場者(グッドデザイン賞受賞者)に対してプレゼン、投票により「グッドデザイン大賞」を決定するという流れで、見事「トヨタ プリウス」が「グッドデザイン大賞」を受賞しました。 審査委員長は川崎和男さんという人で、デザインの世界では偉い人らしいです。ついでに医学博士でもあるらしいです。んで、この人が「これからのデザインは表面的な形態や色の操作だけではなく、生活する人(もっと大きく言えば地球環境?)に対してホントの意味で役に立つものを提案するというスタンスを持たなければならず、それが『デザイン』という行為の本質にならなければいけない!」なんていう意味の事を仰っていました(・・・多分)。「やっぱ賢い人が言う事は違うなぁ」と感心しながら聞入ってしまいました。 そういえば「グッドデザイン大賞」にノミネ-トされた5点は「デザイン自体が素晴らしい」という観点よりは、「役に立つでしょ?コレ」という観点からの選定だったように思うし、そのベストワンが電気と石油を併用しながらエンジンを回すというハイブリッドカ-「トヨタ プリウス」だったのは、なんとも象徴的な結末でした。つまり、今までのモ-タリゼ-ションは石油に依存・・・というか、石油が有る事が前提だったけど、その石油ももう底を突きかけていて、それを確保する為に大義名分を掲げてよその国に押し入って横取りしようとする・・・某コメ国みたいにネ。

でも、電気で自動車が走るようになれば石油に依存しなくても良くなるから、そういう強盗殺人みたいな事も行われずにすむし、何よりも排気ガスによる環境破壊をしなくて済む・・・ね?「役に立つでしょ?コレ」なのです。そして、そういう所から手をつけていくのがこれからの「デザイン」だ!・・・という事らしいです。それが真に「生活をデザインで豊かにする」事だと・・・。じゃあその電気はどうやって調達するのだ?という突っ込みもあるでしょうが、それは置いといて、まぁ、十分に説得力のあるお話でした。 デザインというと「表面的な形態や色の操作」と捉えがちだし、その解釈も強ち間違いではないと思うのですが、どんどん消費されて次から次に新しいデザインを生み出す事ばかりに専念していたデザイン業界が、ここに来て消費する(される)事だけに甘んじるのはなく、本質的な部分に目を向けだし能動的なスタンスにシフトしだしたのはとても良い傾向だと思いました。建築もこのようなスタンスで働きかける事ができれば良いのですが・・・。

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