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執筆者の写真S.Ninomiya

不思議の安藤建築。

9月最後の連休を利用して国立近現代建築資料館で催されていた「安藤忠雄 初期建築原図展-個の自立と対話」展に行ってきました。





タイトル通り、安藤さんの初期作品の原図と模型が数多く展示されていてるのですが、時代的に「手描き」による図面というところがポイントで、CADが普及した現在とは全く違う環境で描かれた図面の熱量を感じ取れる熱い展覧会でした。





会場は学生さんたちでなく様々な年代、様々な立場の人達が訪れ皆熱心に図面や模型に魅入っていて、安藤さんの人気のほどをあらためて痛感させられました。


ところで安藤建築というと、必ず「熱い・寒い・使いにくい」という形容詞で語られます。確かにそれは間違いではありません。





特に初期の作品に関しては断熱材も入っていないし、迷路のような導線は使いにくく効率も悪い。商業建築などは空きテナントも多いしビジネスとして成り立っているのか心配になってしまう建築も沢山あります。


世の中は得てして高効率で合理的な方を選択しがちなのですが、安藤建築はその真逆。なのに、世界中で安藤建築は大人気で、安藤さんへの設計依頼は後を絶ちません。人々は安藤さんの建築に魅入られ興味を抱きます…暑くて寒くて使いにくいのに。





それはいったい何故なんでしょうか?


安藤建築に触れるたびに、いつもそんな疑問が湧いてきます。そして、そこに建築の魅力と真理が見え隠れするような気もするのです。

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