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建築家 米田明さん設計の「川口クリニック」が三重県名張市にあるというので、早速車を飛ばして見学に行ってきました。「川口クリニック」は米田さんお得意のキャンティレバ−(片持ち梁)全快のビックリ度満点の建築です。事前に雑誌で概要は把握していたのですが、実際に現物を見るとそのキャンティレバ−ぶりはホントに度肝を抜かれます。「エ〜!!??」とか「アレ〜??!!」とか、その感嘆符は手品を見た時のソレと全く同じ、まるでイリュ−ジョンの世界。写真に撮るとまるでCGの合成写真みたいで、更にその現実味の無さが増して見えます。なんでも鉄板を溶接して繋ぎ合わせた「モノコック」という構造形式との事。「モノコック」というのは自動車や電車などでは一般的な構造なのですが、普通の建築のように柱や梁や床を使った構造ではなく、外壁そのものが強度のある構造体となって全体を構成するという方法らしいです。哺乳類のように骨の上に筋肉や皮が付いた構成だとすると、後者はカニやエビなどの甲殻類みたいな構成と考えると分かり易いかと思います。まあ、モノコック=キャンティレバ−というわけではないので、それだけでこのイリュ−ジョンの種明かしにはならないのだと思うのですが、通常よりも剛性の高い特性を生かすと、このような建築も可能なのでしょう。久しぶりに「建築の可能性」を感じた建築でした。話は変わりますが、今年の6月20日から建築基準法が改正されました。変更された内容は、わかり易く言うと「建築確認申請の審査をこれからは真面目に審査します」という主旨のもの。例の姉歯事件の余波を受けての法改正なのですが、これまでの審査がいかにいい加減だったかを自ら暴露しているわけで、今まで当然真面目に審査していてくれているものと思っていた審査される側の僕達にとっては、なんとも裏切られたような馬鹿にされたような騙されてたような・・・リアルネガティブシンキングなわけです。しかもこの法改正によって「真面目に審査」する事になったものだから、審査料(申請量・検査料)も値上げするし、審査する時間もタップリかかりますよ・・・との御達しが。ホント、馬鹿にしてますよね。今までどういう仕事ぶりだったのでしょ−か???まあ、姉歯事件で良く取り上げられる「民間の申請機関」というのは、「民間」といっても基本的には天下り先になっていて、在籍者のほとんどは定年した元お役人ばっかり。っていうか、天下り先を作る為に審査機関を「民間でもやって良いヨ」としたわけです。んで、その元お役人達がお役所時代と同じ仕事ぶりを「民間」でも発揮しているだけなので、実質上「民間」ではないわけです。そしてこの法改正による最も大きな問題点は、審査する側に果たしてその技量や能力があるのか?という点。つまり、審査する側はお役人、お役人はお役人であって、いくら建築士の資格を持っていても実際に建築を設計したり工事したりした経験のある人はほとんどいません。つまり経験不足。そんな経験不足な人達に、果たして高レベルの建築が理解できるのか?例えば前出のような「川口クリニック」のように「モノコック」とか言われても、「『モノコック』???そんなの建築では知らんなぁ?そんなのホンマに大丈夫ゥ?・・・なんか良く分からん審査通すわけにはいきまへんなぁ。ざ〜んねんで〜した。ピッ!」ってな具合(因みに、竣工時期から考えて「川口クリニック」は法改正の前の建築確認申請だと考えられます)。勿論、中には一生懸命理解しようと努力される方もおられるかもしれません、その為に非常に長い時間を費やして審査される方もおられるかもしれません・・・と一応フォロ−。で総括。近年コンピュ−タ−の発達で、建築の可能性は非常にその幅を広げてきています。しかし6月20日の法改正によりその可能性の幅は理不尽な根拠で抑制を受けようとしています。世界的にも評価の高い日本の建築界ですが、今後いったいどうなってしまうのでしょうか・・・。

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