COLUMN

2010/05/27 「目から鱗の美術館~サムソン美術館 Leeum」
目から鱗の美術館~サムソン美術館 Leeum
昨年の暮れ、ソウルにある「サムソン美術館 Leeum」を訪れました。この美術館は半導体や電化製品で有名なサムソングループが運営する美術館で、テーマごとに建物が分棟され、それぞれ違う建築家が設計するというユニークな企画の美術館です。選ばれた建築家はマリオ・ボッタさん(スイス)、ジャン・ヌーベルさん(フランス)、レム・クールハースさん(オランダ)というなんともゴーカな顔ぶれ。だけど、実はちょっと???でした。なぜなら、ジャンさんとレムさんは今を時めくスター建築家の中でも、特にチャレンジングな作風でしられ、近年成長著しい「勢いのある韓国」を表現するには相応しい選定だとすんなり納得。でも、マリオさんもスター建築家には違いないけれど、正直一昔前のオッサンロートル建築家という印象は否めず、他の二人と比較するとオーソドックス過ぎて「建築の可能性を探求する」という視点で捉えた場合、完全に役不足なカンジ。で、見学前から当然マリオ棟はノーマーク。美術館側としてはマリオ棟→ジャン棟→レム棟という鑑賞コースを想定しているようでしたが、マリオ棟に全く興味のない僕はレム棟からスタート、次にジャン棟と見学。両建築とも期待通りに刺激的で斬新な建築。感じた事の無い新しい空間体験。来て良かったなと素直に思えました。で、最後に「折角来てるのだから」程度のノリでマリオ棟に。ありがちな円形の吹き抜けに、まとわり付くように配されたらせん階段。予想通りの平凡な空間構成。でも。。。でも凄く美しい。円形の吹き抜け上部はお約束のトップライト。そして、そのトップライトからこれまたお約束の陽光が差し込む。更にお約束でその光が湾曲した壁面を照らし、お約束の「平凡」だけど、凄く美しい空間。。。感激した。レム棟やジャン棟は前述の通り建築の可能性を感じはしたのだけれど、どっかギスギスした印象は否めず、疲れた。でも、マリオ棟では建築=造形そのもののシンプルな美しさに気付かされた。オーソドックスな建築の魅力を再発見できました。目から鱗。マリオさんの選定は正しかったと思いました。
代表:二宮